Logo東京大学 生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター(ITSセンター)Advanced Mobility Research Center (ITS Center), Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

News Report: ITS世界会議2013東京

2013年10月14日から18日に東京ビッグサイトにおいて(14日のみ東京国際フォーラム)、第20回の記念大会となるITS世界会議東京2013が開催されました。 今大会は第11回愛知・名古屋の大会以来の日本開催となり、本センターも大口教授が International Program Committee Chairを務めたことをはじめ、その他各関係機関等との協力のもと様々な局面で当該大会の成功に大きく貢献しました。

東京ビッグサイトの本会場においては、本センターが全面的にサポートを行っている柏ITS推進協議会や、鈴木准教授がプロジェクト推進担当政策監として赴任していた長崎県などによる自治体合同ブースが展示会場中央のアトリウムに設置され、来場した多くのITS関係者や一般観覧者の注目を集めました。 本センターとしても、柏、長崎のみならず、東北復興地域や後述の広島県、そのほか警察との共同研究、NEDOエネルギーITSなど様々な地域や公共機関との連携事例を中心に紹介するブースを柏ITS推進協議会ブースに併設し、中でも柏地域を起点にJR東日本と共同で研究開発を行っている交通連携スマホアプリやタッチレスゲートなどの紹介展示を行いました。 展示会場オープン初日となる15日には会場全体のオープニングセレモニーに引き続いて当該ブースにおいても大村愛知県知事、森山静岡県副知事、清水さいたま市長、石黒柏市副市長と並び、池内教授が柏ITS推進協議会長として、鈴木准教授が長崎県政策監として参列し、テープカットを行いました。 常に人の流れは絶えず、65ヶ国からの大会参加者20,691名(うち会議登録者3,940名)のかなり多くが同ブースを訪れたと考えられます。

また、隣接する東京都ブース内において、ドライビングシミュレータ(DS)のデモ展示を行いました。 これは、本センターが警察庁、警視庁、科学警察研究所とともに推進している、DSを用いた道路標識や交通信号機による運転の安全性への効果評価に関する共同研究に基づくものです。 本研究では、仮想化都市空間技術によりDS上に実際の道路交通環境を再現することで、現実の道路環境では困難な道路標識や交通信号機の配置の変更等による効果評価を、高い臨場感の下で行うことができます。

今回のデモ展示では、来場者に交通環境の異なる2パターンのシナリオについてDS上での運転を行ってもらい、交通環境の違いで運転挙動がどう異なるかを体験してもらいました。 本会期4日間での体験者数は約100名を数え、大変盛況な展示となりました。

このほか、経産省ブースにおいてはNEDOエネルギーITS自動運転・隊列走行実証実験に関する紹介展示とつくばからデモンストレーションのライブ中継(アトリウム中央ステージでも複数回放送)、「広島における世界初の路面電車-自動車間通信型ASVデモ」に関してはマツダ株式会社のブースに加え、総務省ブースにおいても紹介され、国総研ブースにおいては堀研究室との共同によるEV(電気自動車)のワイヤレス非接触給電に関する展示などがあり、いずれも来場者の関心を強く引いていました。

このほか、後記文献リストにある数多くのセッション企画、講演発表に加え、さらに後述する柏市へのテクニカルビジット、長崎県五島列島、広島への各ポストコングレスツアーにも大きく関わっており、本センターの活動が多岐にわたり、国内各地域へ縦横に拡がっていることが国内外関係者に大いに示されたと言えます。

テクニカルビジット:柏ITSスマートシティ

10月15, 16日には、千葉県柏市へのテクニカルビジットが行われました。 ITS実証実験モデル都市、環境未来都市構想モデル都市に選定された同市では、柏ITS推進協議会を中心として、産官学が連携しながら、環境・エネルギー問題や高齢社会に対応した新しい街づくりとモビリティ活用が行われており、当センターでも同協議会の主要構成員として活動しています。

東京大学柏キャンパスでは、最先端の情報通信技術を活用してCO2の排出を削減する取り組みが紹介されました*。 観測した交通量からCO2の排出量を算出・可視可し、地域市民に配信することで環境負荷の少ない交通行動を促す仕組みです。 9~11月にかけてスマートフォンを利用した交通行動変容調査実験が行われており、この実験のデモを体験しながら柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)まで移動し、実験結果が紹介されました。 UDCKからは、「複合現実モビリティシステム」を利用した仮想体験ツアーが行われました。 ゴーグル型ディスプレイやタブレットを覗くと、CGで表わされたCO2の排出状況などが現実風景の上に重ねて表示される技術(複合現実感、MR)で、電動バスに乗車して国道16号を走りながら、現在や過去の排出状況を体験しました。 同様に、柏市・柏の葉地区の未来像として、エコライド、パーソナルモビリティなどもMRにより紹介されました。

このほかにも、マルチ交通シェアリング、キャパシタEVとワイヤレス給電システム、多用途型のパーソナルモビリティなど、様々な革新的なITSテクノロジーを見学して頂きました。

なお柏市では、10月を「柏ITS月間」として位置づけており、25日には東京大学柏キャンパスの一般公開においても同様の活動紹介や複合現実モビリティシステムのデモを行い、地域市民の皆様にご体験頂きました。

*総務省戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)「市民の交通行動変容を促進する持続可能な生活交通情報フィードバックシステムの研究開発」(代表:池内克史)

ポストツアー:広島における世界初の路面電車―自動車間通信型ASVデモ

10月20日(日)・21日(月)の2日間、広島市内公道(舟入通りおよび周辺道路)において路面電車-自動車間では世界初となる車車間通信型ASVの公道実証実験を実施しました。 総務省による700MHz帯域のITS(安全用途)専用周波数割り当て(2012年7月)や当該周波数帯域用の車車間通信用無線機市販化(2013年春)をふまえて、当センターがマツダ(株)、広島電鉄(株)、(独)交通安全環境研究所と共に広島地区ITS公道実証実験連絡協議会(会長:広島大学大学院・藤原章正教授)の活動の一環として行ったものです。 ITS世界会議東京2013ポストコングレスツアー(PT5およびPT5A)参加者に対してマツダASV-5実験車両および広島電鉄最新車両に同乗するサービス試乗体験コースを公開し、公共交通車両の係る事故を未然に防ぐ安心なITSの普及モデルを国内外に示しました。

長崎EV&ITS ― Go to 五島エコアイランド

東京でのITS世界会議に引き続き、10月19、20日の2日間にわたり、長崎県五島列島へのポストコングレスツアー(PT2)を行いました。 参加者は羽田空港から飛び立ち、福岡空港でオリエンタルエアブリッジ航空のプロペラ機に乗り換え、東京では大雨ながら心地よく晴れた空を島影を見下ろしながら五島福江空港へと降り立ち、中野五島市副市長とご当地ゆるキャラなどによる温かい出迎えを受けました。

福江文化会館にて中野副市長の英語での挨拶と、長崎県政策監でもある鈴木准教授による長崎EV&ITSプロジェクトの説明の後、地元ふるさとガイドの梅木さんの巧みな案内のもと、五島観光歴史資料館、福江城(石田城)跡、武家屋敷通りや、香珠子海水浴場にある椿茶屋で地元の特産である塩作りの現場などを見学した後、夕食で地元の数々の美味を楽しんでいただき一日目を終えました。 二日目は引続き梅木さんの英語や韓国語を交えたガイドのもと、世界遺産登録を目指す五島の隠れキリシタンの教会でもかつて中心的存在だった堂崎教会からはじめ、道の駅遣唐使ふるさと館では本ツアーのハイライトである、EV試乗とITSスポット接続、急速充電などの体験と、環境省事業に採択された小型風力と太陽光パネル等を備えた災害対応型地域型マイクログリッドモデルの説明などを受け、未来のエコの島へ向かっての取組を体験しました。 さらに、日本一美しいとも言われる高浜海水浴場を経て、最西端にある大瀬崎灯台でEVからの電力供給で焼いたカンコロ餅(芋餅)の試食、空港への帰途では山の尾根に並ぶ陸上大型風車を眺めるなど、従来の観光に新しい技術が自然に融合し調和した「未来型ドライブ観光」を実感するツアーとして、この貴重な体験に参加者は大きな満足を得られたと思われます。

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